
今日は、我が子の成長に胸を打たれる出来事がありました。
それは、ついにやってきた「初めての寝返り」の瞬間です。
とはいえ、その決定的瞬間を見届けたのは……私ではありませんでした。
いつものように、我が子はプレイマットの上で元気いっぱいに動き回っていたそうです。最近はぐるぐると回る動きが増え、方向転換もお手のもの。自分の意思で移動しているようにも見えて、見ていて飽きません。まるで小さなコンパスの針が、自由に回転しているかのようです。
そんな中、突然その瞬間は訪れたとのこと。
くるり。
ころり。
なんと、自然な流れで寝返りをしたそうです。
妻はその瞬間を目の当たりにし、思わず大きな声で叫んだそうです。
そりゃあ叫びますよね。昨日までできなかったことが、突然できるようになるんですから。
しかし、その頃の私はというと——
トイレにこもっていました。
人生には、なぜ今なのかと思うタイミングがあるものです。
よりによって、この歴史的瞬間にトイレ。しかも長め。よりによってです。
トイレの中で聞こえてきたのは、妻の叫び声。
ただならぬ雰囲気に、「何かあったのか!?」と焦りました。
手を急ぎつつも心はすでにリビングへ。
急いでトイレから飛び出すと、そこには何事もなかったかのような空気。
そして妻から一言。
「今、寝返りしたよ。」
……え?
一瞬、時が止まりました。
そして、数秒遅れで現実が追いついてきます。
「えええええ!?今!?今なの!?」
まさかの展開です。
記念すべき初寝返りを、私は「音声のみ」で体験しました。
映像なし。リプレイなし。実況だけ。
思わず笑ってしまいました。
これもまた、我が家らしい出来事なのかもしれません。
とはいえ、やはり少し悔しい気持ちもありました。
初めての瞬間は、一度きり。
できればこの目で見たかった。
しかし、我が子はそんなパパの気持ちを察したのか、あるいは偶然なのか、その後も何度かチャレンジを続けていたそうです。
そして、半日ほど経った頃。
再びその瞬間が訪れました。
ぐるぐると体を回しながら、タイミングをうかがうような動き。
こちらも固唾をのんで見守ります。
「頼む……もう一回……」と、内心かなり必死です。
そして——
くるり。
見事に寝返り成功。
今度はしっかりこの目で見ることができました。
思わず「できたー!」と声が出てしまいました。
妻と顔を見合わせて、同じタイミングで笑顔に。
同じ日に、二度目ではあるけれど、ちゃんと一緒に喜ぶことができました。
我が子はというと、寝返りをしたあと少し誇らしげな表情。
「どう?できたでしょ?」と言わんばかりです。
いや、もしかすると「さっきもやったけどね」という余裕だったのかもしれません。
こうして振り返ると、子どもの成長は本当に突然です。
昨日までできなかったことが、今日できるようになる。
しかも、親の都合なんてお構いなしに。
だからこそ、一つ一つの瞬間が貴重なんだと改めて感じました。
全部を見ることはできないかもしれない。
でも、見られた瞬間は全力で喜びたい。
そして何より、同じ日にその喜びを共有できたことが、とても嬉しかったです。
それにしても、初寝返りが「トイレ中の出来事」になるとは思いませんでした。
将来この話をしたら、きっと笑われるんだろうなと思います。
「パパ、初めての寝返り見てないの?」
「うん、音だけ聞いたよ。」
……なんとも締まらない思い出ですが、それもまた宝物です。
今日もまた一歩、成長した我が子。
次はどんな瞬間が待っているのか。
できればその時は、トイレのタイミングだけは外したいところです。