
最近、我が子の口の中をじっくり確認する機会がありました。きっかけは、いつも通りのミルクタイム。ムチムチっと一生懸命飲み終えた後、例のごとくよだれがダラダラ。タオルで拭き拭きしながら、「今日もよく飲んだなあ」と何気なく口の中をのぞいたところ……。
ん?
あれ?
歯茎の奥に、なにやら白っぽいものが見えるような気がするのです。
気のせいかなと思って角度を変えてもう一度確認。
……やっぱりある。
前歯っぽいものが、うっすらと歯茎の下に見えているような。
ついに来たか。
「歯、生えてくるイベント」が。
最近の行動を振り返ると、思い当たる節がいくつもあります。やたらと手を口の奥まで突っ込むようになったこと。指を入れてはモゴモゴしていること。時には「そこまで入れる!?」と、見ているこちらがヒヤッとするくらいの深さまで突っ込んでいることもあります。
もしかして、歯茎がむずむずして痒いのではないか。
そう思い始めると、すべてがつながって見えてきます。
そこで最近は、手の代わりに噛めるおもちゃを活用するようにしています。特に、手に挟めるタイプのカミカミおもちゃ。いわゆる「カミカミチキン」的なやつです。これなら握ったまま口に持っていけるので便利ですし、手を直接噛み続けるより肌荒れの心配も少なくなります。
とはいえ、本人は相変わらず自分の手も大好き。
おもちゃと手を交互に噛むという、なんとも忙しいスタイルで日々を過ごしています。
そしてもうひとつ、そろそろ準備しないといけないのが歯磨きです。まだ実際に歯がしっかり生えているわけではありませんが、慣れさせる意味も込めて、最近は歯ブラシを“おもちゃ代わり”に渡すことにしました。
最初は興味津々で手に取り、じーっと観察。
そして、おもむろに口の中へ。
その瞬間です。
今まで見たことがない表情になりました。
眉間にシワ。口元もぐにゃっと歪み、まるで苦いものを食べたかのような顔。
「うえー……」
声こそ出しませんが、表情がすべてを物語っています。
いや、苦くないんです。歯ブラシは新品ですし、味もついていません。なのにこの反応。
まるで人生で初めての青汁でも飲んだかのような顔です。
それでも泣くわけではなく、しばらくするとまた口に入れてみる。そして再び「うえー」の顔。
どうやら「嫌いだけど気になる」ポジションのようです。
このやり取りを見ていると、歯磨きへの道のりはなかなか長そうだなと感じます。今はまだ、歯ブラシという未知の物体に戸惑っている段階。それでも、こうして少しずつ触れていくことで、いつか当たり前に受け入れてくれる日が来るのかもしれません。
それにしても、歯が生えてくるというのは成長の大きな一歩。ついこの間まで、ミルクだけで過ごしていた小さな存在が、少しずつ次のステージへ進もうとしています。嬉しさ半分、寂しさ半分。そして、歯磨きという新たなミッションへの緊張が半分。気づけば半分が多すぎます。
果たして我が子は、いつの日か自分から口を開けて歯磨きをさせてくれるのでしょうか。それとも毎回プロレスのような格闘が必要になるのでしょうか。
答えはまだ分かりませんが、とりあえず今日も歯ブラシを差し出してみようと思います。
そしてまた、あの「うえー」の顔を見ることになるのでしょう。
それもまた、今だけの可愛い思い出になりそうです。