
最近、少し考えさせられる出来事がありました。
ミルクをあげているとき、寝かしつけのとき、我が子が一人で遊んでいるとき。
気が付くとスマホを触っている自分がいました。
ニュースを見たり、調べものをしたり、SNSを眺めたり。どれも「ちょっとだけ」のつもりなのですが、ある日、妻からこんな一言を言われました。
「スマホ見てる時間、多くない?」
その言葉に思わずドキッとしました。
確かに振り返ると、育児中でもスマホに手が伸びる場面は意外と多いのです。
そこで気になったのが、
「親がスマホばかり見ていると、赤ちゃんの集中力に影響するのだろうか?」
という疑問でした。
今回は研究結果や専門家の見解をもとに調べてみました。
結論:問題なのはスマホではなく「親子のやり取りが減ること」
まず結論からお伝えします。
親のスマホ使用は、赤ちゃんの集中力や発達に影響する可能性があります。
ただし、
スマホそのものが悪いわけではありません。
問題になるのは、スマホを見ることで親子のコミュニケーションが減ってしまうことです。
研究でも繰り返し指摘されているのは、
- 目を合わせる回数
- 声をかける回数
- 赤ちゃんの反応に応える回数
こうしたやり取りが減ることが発達への影響につながる可能性があるという点です。
赤ちゃんの集中力はどう育つの?
赤ちゃんは最初から長時間集中できるわけではありません。
周囲の大人との関わりを通じて、少しずつ注意を向ける力を身につけていきます。
例えば赤ちゃんがおもちゃを見ているとき、
「それ面白そうだね」
「音が鳴ったね」
「キラキラしてるね」
と親が反応すると、赤ちゃんはその対象への興味を長く持続しやすくなります。
このようなやり取りは、
共同注意(きょうどうちゅうい)
と呼ばれています。
共同注意とは、親と赤ちゃんが同じものに注意を向けることです。
実はこの経験が、
- 集中力
- 言葉の発達
- 学習能力
- コミュニケーション能力
の土台になると考えられています。
なぜスマホが問題になるの?
スマホを見ること自体に害があるわけではありません。
問題は、スマホが親の注意を奪ってしまうことです。
赤ちゃんは頻繁に親へサインを送っています。
- 目を合わせる
- 声を出す
- 指差しをする
- 表情を見せる
こうしたサインに親が反応することで学習が進みます。
しかしスマホに集中していると、
- 気付くのが遅れる
- 反応が減る
- 声かけが少なくなる
といった状態が起こります。
すると赤ちゃんは「反応してもらえる経験」を積みにくくなります。
これが発達や集中力に影響する可能性があると考えられているのです。
実際の研究では何がわかっている?
いくつかの研究では、親がスマホなどのデジタル機器に注意を向けているとき、
- 赤ちゃんへの声かけが減る
- 視線を向ける回数が減る
- 親子のやり取りが中断されやすい
ことが報告されています。
また、親がおもちゃを紹介する場面でも、
スマホに気を取られている状態では、赤ちゃんがおもちゃを記憶しにくくなる可能性が示されています。
つまり、
スマホによって親子のコミュニケーションの質が低下すること
が問題視されているのです。
でも育児中にスマホを完全にやめるのは無理
ここまで読むと、
「じゃあスマホは一切見ない方がいいの?」
と思うかもしれません。
でも現実的には難しいですよね。
育児中のスマホには、
- 育児情報を調べる
- 家族と連絡を取る
- 写真や動画を撮る
- 気分転換をする
など大切な役割もあります。
研究でも、
短時間のスマホ使用そのものが問題とは考えられていません。
過度に不安になる必要はありません。
今日からできる簡単な工夫
私自身も意識しようと思ったのは、スマホをゼロにすることではなく、
赤ちゃんとのやり取りを増やすこと
です。
特別なことは必要ありません。
① 目が合ったら笑顔で返す
数秒でも十分です。
赤ちゃんは親の表情をよく見ています。
② ミルク中に何度か顔を見る
スマホを見ていても構いません。
途中で顔を見て声をかけるだけでも違います。
③ 遊んでいるものを一緒に見る
「何してるの?」
「それ楽しそうだね」
そんな一言だけでも共同注意になります。
④ 1日の中でスマホを置く時間を作る
例えば、
- ミルクの最初の5分
- お風呂の時間
- 遊びの時間
だけでもスマホをポケットに入れてみる。
これだけでも親子の関わりは増えます。
妻の一言で気付けたこと
今回、「スマホ見てる時間多くない?」と言われたときは少し耳が痛かったです。
でも振り返ってみると、その一言のおかげで自分の育児を見直すきっかけになりました。
スマホは便利です。
だからこそ完全にやめる必要はありません。
大切なのは、
スマホを見る時間ではなく、赤ちゃんとのやり取りが減っていないか。
そこを意識することなのだと思います。
まとめ
親のスマホ使用は、赤ちゃんの集中力や発達に影響する可能性があります。
しかし問題なのはスマホそのものではなく、親子のコミュニケーションが減ることです。
- 目を合わせる
- 声をかける
- 一緒に同じものを見る
- 笑顔を返す
こうした何気ないやり取りが、赤ちゃんの集中力や学習の土台になります。
私もこれからはスマホを完全にやめるのではなく、「今この瞬間の我が子との時間」を少しだけ意識していこうと思います。
ミルクをあげながらでも、ふと目を合わせる。
その数秒が、赤ちゃんにとっては大切なコミュニケーションなのかもしれません。
参考文献
- Radesky JS, et al. (2014)
Patterns of Mobile Device Use by Caregivers and Children During Meals in Fast Food Restaurants.
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/24390820/ - Reed J, Hirsh-Pasek K, Golinkoff RM. (2020)
Learning on Hold: Cell Phones Sidetrack Parent-Child Interactions.
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/31313497/ - American Academy of Pediatrics
Media and Young Minds
https://publications.aap.org/pediatrics/article/138/5/e20162591/60349/Media-and-Young-Minds