
今日の我が子は、ついに新たな必殺技を習得しました。親としては心の準備も何もない、突然のスキル解放です。その名も――「あっかんベー」。
とはいえ、まだ完成度は低く、正確には舌を「ベー」と出すだけ。誰に教わったのかもわからず、どこで覚えたのかも不明。こちらとしては「え、今それ覚える?」という、予告なしのアップデートです。しかも一度きりではなく、なぜか気に入った様子で、何度も何度も繰り返す。笑いながら、突然の舌ベー。何が楽しいのかは本人のみぞ知る世界ですが、とにかく楽しそうなのは確かです。
最初は「かわいいなあ」で済んでいました。こちらを見てニコッと笑い、舌をベー。あまりの無邪気さに、思わずこちらも笑ってしまう。もう一度やってくれないかなと思っていると、再びベー。サービス精神旺盛なのか、観客の期待に応えるタイプなのか、まるでステージ上のパフォーマーのようです。
しかし、この技には重大な副作用がありました。そう、唾液です。舌を出すという行為は、想像以上に水分の飛散を伴うらしく、笑いながらベーを繰り返すたびに、口元がどんどん潤っていく。そしてその状態のまま抱っこされるものだから、結果として私の肩口はじわじわと湿っていきます。
特にお昼寝前が要注意。眠気で機嫌がふわっとしているタイミングで抱っこすると、こちらの肩に顔を寄せながら、思い出したように舌ベー。気づけば、Tシャツの肩から胸元にかけて、見事なまでの湿り気ゾーンが完成しています。最初は「まあ、赤ちゃんだしね」と余裕を見せていたものの、1日に数回繰り返されると、さすがに洗濯カゴの存在感が増してきます。
しかも、なぜかこの必殺技は、洋服を選びません。新しいTシャツだろうが、お気に入りの部屋着だろうが、関係なし。むしろ「今日洗ったばかりだよね?」というタイミングを狙ってくるような気さえしてきます。もしかすると、洗濯物の回転率向上を狙った、家庭内経済への貢献なのかもしれません。そう考えると、なんだか壮大な計画の一部にも思えてきます。
そして、本人は至って満足そう。こちらの肩がしっとりしていようが、関係なしにニコニコ。舌を出して、また笑う。その無限ループ。こちらとしてはタオルを常備しようか、着替えを増やそうか、それとももう濡れる前提で生活するべきか、悩みどころです。
それにしても、こういう突然の成長というのは本当に面白いものです。昨日まではやらなかったことを、今日いきなり当たり前のようにやる。しかも本人は得意げ。できることが増えるたびに、こちらの対応力も試されているような気がします。育児とは、子どもの成長と同時に、親の洗濯スキルもレベルアップしていくゲームなのかもしれません。
この舌ベーのブームは、いったいいつまで続くのでしょうか。数日なのか、数週間なのか。それとも次の新技を覚えるまで続くのか。もしかしたら、明日には別の必殺技を習得している可能性もあります。そのたびに驚き、笑い、そしてTシャツを洗う。そんな日々が、しばらく続きそうです。
まあ、多少の湿り気くらい、かわいさには敵いません。今日もまた、濡れた肩口を見ながら、「成長したなあ」としみじみ思うのでした。…とはいえ、洗濯機の前では現実に戻るんですけどね。🧺😆