
最近、通勤の道すがら、白杖を持ち、盲導犬と一緒に歩いている方をよく見かけます。
その盲導犬が少しユニークで、最初に見たときは「フクロウなどの鳥たち」が描かれた洋服を着ていました。白地にポップでかわいらしい鳥さんたちが並んでいて、思わず目が奪われました。
後日、また出会ったときには、今度は「深海魚」がずらりと並ぶ服。チョウチンアンコウやリュウグウノツカイらしき魚まで描かれていて、水族館の図鑑を着て歩いているような楽しさがありました。
きっと同じ人が心を込めて作ったんだろうな、と想像できるデザインで、朝の慌ただしい通勤の中で心がふっと和らぎます。
ワンちゃんは「ラブラドール・レトリバー」。落ち着いた表情で歩調を合わせ、ご主人をしっかり導いている姿は本当に頼もしいものです。
そこにユニークなお洋服が加わると、頼もしさに「かわいらしさ」や「優しさ」も感じられ、街の景色が少し明るくなる気がします。
盲導犬について、調べてみました
ただ、ふと気づいたんです。
「盲導犬ってどんな役割をしているの?」と聞かれたら、私は“歩行をサポートしてくれる”ことと、“なでてはいけない”ことくらいしか知らないかもしれないなと。
せっかく毎日のように出会う存在なのに、知らないままなのはもったいない。そう思って、少し調べてみました。
盲導犬の役割
盲導犬は「目の見えない方や見えにくい方の歩行を安全にサポートする犬」です。
日本では 身体障害者補助犬法 によって、盲導犬のほかに「介助犬」「聴導犬」も認められています。
盲導犬の主な役割は――
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障害物を避けながら安全に道を案内する
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段差や曲がり角を教えてくれる
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信号の色はわからないので、人の耳や判断に頼る部分を補助する
「目の代わりになる」というより「安全な歩行を一緒に考えるパートナー」なんですね。
日本にいる盲導犬の数
「街でよく見かける」と思う方もいるかもしれませんが、実際に日本にいる盲導犬は 全国で約900頭前後。
必要としている方の数に比べると、まだまだ少ないそうです。
育成には長い時間と多くの費用がかかるため、寄付やボランティアに支えられているんですね。
盲導犬になるまでの道のり
盲導犬はすべての犬がなれるわけではありません。
生まれてすぐは「パピーウォーカー」と呼ばれるボランティア家庭で約1年育ち、人との暮らしに慣れ、愛情を受けながら社会性を学びます。
その後、訓練センターに戻り、さらに1年ほど専門の訓練を受けます。
合格できるのはわずか3〜4割程度。
その過程で1頭あたり 500万円以上の費用 がかかるといわれていて、多くの人の支援が欠かせません。
引退後の生活
盲導犬として活躍できるのはおよそ8〜10年ほど。
引退後は「引退犬」として一般の家庭犬と同じように余生を送ります。
訓練を担当した方や新しいボランティア家庭に迎えられ、安心して暮らすケースが多いそうです。
長年人のために働いた子が、最後は穏やかに過ごせる環境が整えられているのは素敵ですよね。
盲導犬に出会ったら、知っておきたいマナー
街で盲導犬を見かけると、つい声をかけたり、なでてみたくなったりすることもあります。
でも、仕事中の盲導犬にとってそれは大きな妨げになります。
覚えておきたいルール
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なでない
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目を合わせて気を引かない
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食べ物をあげない
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勝手に声をかけない
もし困っているように見えたら、盲導犬ではなく「ユーザーの方」に声をかけるのが正解です。
おわりに
通勤途中で出会ったラブラドールの盲導犬。
その子のお洋服には、フクロウや深海魚など遊び心たっぷりのデザインが並んでいて、思わず足取りが軽くなりました。
今まで「なでちゃいけないんだよね」くらいしか知らなかった盲導犬。
でも調べてみると、育成の背景や引退後の生活まで多くの人の支えがあって成り立っていることがわかり、あらためて尊い存在だと感じました。
役割は真剣でも、そこにちょっとしたユーモアや個性があることで、見ている側まで優しい気持ちになれる。
盲導犬は「補助犬」であると同時に、私たちの日常をあたたかくしてくれる存在でもあるのかもしれません。
次に出会うときは、どんなデザインの服を着ているのか――また楽しみにしています。