
どうも、トムです。
今日の帰り道、ちょっとした出来事がありました。
いや、正確に言えば「出来事」と言えるほどのことじゃない。
ただ、電車の中でふと目に留まった光景が、ずっと胸の中に残っていて。
こうして夜な夜な、キーボードを叩いています。
最寄り駅から乗った電車。
いつものように、帰宅ラッシュとまではいかないけど、そこそこ混んでる車内。
僕は座席の端っこが運よく空いてたんで、そこに腰かけて、ぼんやりスマホをいじってました。
すると、目の前にひとりの女子高生。
たぶん高校2年生くらい。
制服じゃなくて、私服姿。
最近の子ってオシャレだな〜なんて思いながら、何気なく視線を向けた瞬間、僕の目がある一点に吸い寄せられたんです。
その子のTシャツ。
胸元にでっかくプリントされてたのは……ゴッホの《星月夜》。
深い群青の夜空に、ぐるぐると渦巻く星々と月。
その鮮やかな色彩がTシャツいっぱいに広がってて、電車の中の無機質な景色の中で、ひときわ輝いて見えました。
「うわ、ゴッホだ……」
思わず心の中で呟いてしまった。
別に美術に詳しいわけじゃないんです。
でも、あの絵だけは昔からなぜか記憶に残っていて。
中学の美術の教科書で初めて見たとき、「なんだこのぐちゃぐちゃした空は」って思ったのを、今でもはっきり覚えてます。
だけど、大人になってからふと美術館に行く機会があって、その実物を目にしたときは、もう全然違う印象だったんですよね。
渦巻く夜空の中に、不安とか孤独とか、でもそれでも夜を見上げ続ける強さみたいなものがあって。
しばらくその場から動けなかった記憶があります。
そんな《星月夜》が、目の前の女子高生のTシャツに。
別に今時珍しくもないのかもしれない。
古着屋でも、ファストファッションでも、ゴッホのTシャツくらい普通に売ってるし。
ファッションアイテムとして着る子も多いだろうし。
でも、僕の中ではなんだか特別だったんです。
その子がどんな理由でこのTシャツを着てるのかは、もちろんわかりません。
なんとなく気に入ったのか、家族にもらったのか、友達とお揃いなのか。
もしかしたら、美術好きでゴッホのファンってことだってあるかもしれない。
いや、ただの偶然かもしれない。
でも、そうやって理由を想像するのも、けっこう楽しかったりするんですよね。
僕も昔、ビートルズのTシャツを古着屋で見つけて、ろくに曲も知らないのに「なんかカッコいい」ってだけで着てた時期がありました。
音楽の趣味も浅かったし、ファッションのこともよくわかってなかったけど。
でも、そのTシャツを着てると、ちょっとだけ自分がイケてる気がして。
たぶん、誰にでもそんな経験、あるんじゃないかな。
もしかしたら、あの子もそんな気持ちだったのかも。
電車が駅に着いて、ドアが開く。
その子はイヤホンを耳にかけたまま、スッと降りていきました。
何を聴いてたんだろう。
米津玄師か、YOASOBIか、それとも……ゴッホにちなんでクラシック。いや、さすがにそれはないか。
でも、そんな妄想をするのも楽しい。
たかがTシャツ、されどTシャツ。
そこから広がる物語って、意外とバカにできないんです。
例えば、この文章を読んでるあなたが、もしその場にいたら。
また違う物語を思い描いたかもしれない。
「きっと美術部の子なんだ」とか、「お母さんの趣味かも」とか。
それぞれの頭の中に、勝手に物語が生まれていく。
そういうの、なんかいいなって思います。
帰り道、なんとなく《Vincent》って曲を聴きたくなって、Spotifyで検索。
ダン・マクリーンの、あのしんみりとした「Starry, starry night…」の歌声がイヤホンから流れてきて。
ちょっと胸が温かくなりました。
日常の中で、ふと出会う好奇心の種。
こういうのがあるから、毎日がちょっとだけ面白い。
きっと明日もまた、何かの種を見つけてしまうんだろうな。
というわけで、今日の好奇心日記はここまで。
また面白いものに出会ったら、ここに書きます。
それじゃ、また。